器の持ち方と扱い方
和食では、器を手に持って食事を頂きます。
器の持ち方にも、マナーや美しく見えるふるまいが
もちろんありますので、落ち着いてできるようにしましょうね。
器は、何もかも持っていいワケではありません。
大きさの目安は、約15cm以下です。
お椀や、小鉢、お茶わん、お醤油の小皿もOKです。
右手に近い器は右手、左手に近い器は左手で引き寄せます。
持つ時は「両手で包むようにして持ち上げ」ます。
ということは、その都度「お箸は休ませる」ですよ。\(^^)
器を持つ高さは、胸元ぐらいまでにしておくとキレイ!
さぐり箸、涙箸にならないように、いただきましょう。
食べている途中で、器の受け渡しをしたり、
皿をズルズル引き寄せる行為はNGです。
万一こぼしたり、台を傷つけることになりかねませんよ。
また、食べ終わった器は、重ねないように。
親切のつもりが、器に傷をつける行為となって迷惑がられます。
お椀のフタの開け方
和食のお椀には、フタがついていますよね。
あのフタ、開けにくいですよね、ピッタリくっついていてね。(^^;;
この開け方にも、コツがあって、お作法があります。
お椀を開けるためには、両手を使いましょう
最初に、左手でお椀のフチをしっかりと押さえて持ちます。
右手は、フタの糸底(出っ張り)の部分をつまみます。
このとき、フタと椀がピッタリくっついている場合は、
空気を入れるように、軽くたゆませるようにしてください。
どうしても開かない場合は、給士さんに頼んでもOKです。
右手で、そーっと「の」の字をかくようなキモチで
フタを手前から向こう側に静かに開けます。
中を見るような動作になりますね。
ここまできたら、フタを置きたいところですが
「フタから雫を垂らさない」ように最大の注意を払います。
垂れそうな時は、フタを外す前に
椀の右フチに立てかけて、数秒待ちます。
これは「露切りの所作」と言われ、マナー違反どころか、
マナーを解ってるな…!!と思わせる通なポイントです。(^^)
置く時は、フタを裏返してから、
両手を添えて、折敷の右側におきましょう。
面倒かと思われるでしょうが、いちいち両手を添えるのは、
「大切に器を扱うキモチを表す行為だから」です。(^^)
懐紙でセンスアップ
懐紙ってご存知ですか?
白くて薄くてペラペラした小さい紙なんですけど…。
お茶の席で、和菓子を乗せるヤツ…かな?!
そう、それです。(^^)d
懐紙は、和紙を重ねて二つ折りにしたもので、
デパートやお茶屋さんで取り扱っています。
重要なのは、何に使うかですよね。
口元や皿のヨゴレを拭ったり、口に運ぶまでの受け皿にしたり
魚の骨を包んだり、箸先のヨゴレを隠したりなど
和食の席で、色々と便利に働いてくれます。
いわゆるポケットティッシュや、
おしぼりみたいな使い方といったところしょうか。(^^)
ただし、テーブルの上には置きません。
すぐ取れるけど、見えないところに隠し持っておくのが
奥ゆかしく好ましい、懐紙のマナーです。
和服なら胸元、洋服ならポケットでよいですね。
懐紙ケースに入れて、ひとつ持っておくと重宝しますよ。
食事が終わったら
一通り食事を終えるとホッとしてしまいますが、
食べ終わった後が汚くては、台無しになってしまいます。
せっかくマナーを守って気持ちよく食べたのですから、
食べ終わった後も、キレイに見えるようにしましょう。
基本は、キレイにしておくことです。
残したものは、器の済みに寄せ、お箸は箸置きにそろえます。
お椀や丼のフタは、提供された時のように戻します。
このとき、絵柄が揃うように
ちょっとした気配りができると良いですね。
女性が注意したいことは、口紅です。
器を口紅で汚してしまったら、懐紙で拭き取っておきましょう。
爪楊枝を使いたい時は、できるだけ人目を避けましょうね。
いくら隠しても、あまり良いものではありません。
折りがあれば持ち帰りも出来ますが、
食中毒などの危険性を考えて、
最近では持ち帰りが出来ないお店も増えています。
お茶と和菓子の頂き方
和食には、お茶がつきものですね〜。
食事の後に出されるお茶、和菓子にはホッとします。
会食など、和食の食事の後だけでなくても、
お茶と和菓子を頂く機会は、結構あるものです。
いつでも、どこでも、キレイにいただけるように、
マナーはしっかり覚えておきましょう。
まず、お茶のフタの開け方は、和食の時のお椀と同じです。
雫を垂らさないようにするのも、同じですよ。(^^)
和菓子は、懐紙やお皿ごと手にとり
添えられている楊枝(黒文字と言います)で、
一口分づつに切って、刺して、上品にいただきましょう。
お茶とお菓子は、どちらを先に食べても構いませんよ。(^^)
してはいけない和食の食べ方
食べ物を食べるということに、
どうしてしてはいけない食べ方があるのか?
それは、やっぱり「思いやり、心遣い」にあるのでしょうね。
一緒に食べる人、作ってくれた人、
素材を育ててくれた人、食べ物に関わる全てのものに
感謝と敬意を持って、食事をいただくことが大前提だからです。
普段、何気なく食事をしていると、
そんな当たり前のことを忘れてしまいがちです。
ここでもう一度、毎日食事をいただけるありがたさを感じて、
自分の食べ方を見直してみましょう。
そのことを肝に銘じて、
失礼に当たる食べ方を今一度チェックしてみてくださいね。
・料理の盛り付けを無視して、崩して食べる
・手皿で受けながら食べる(懐紙を使いましょう)
・器に口を近づける
・ひじを付いて食べる
・大皿から直接食べる(小皿に取りましょう)
・器に口をつけてかきこむ
・食べかけの料理を皿に置く