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様々な和食のスタイル

和食で「本膳料理」って耳にしたことはありますか?実は、私も正式なコレには遭遇したことはありません。あまり馴染みがない和食のスタイルなのですが会席料理の源流となった歴史あるお料理です。

本膳料理とは?

和食で「本膳料理」って耳にしたことはありますか?

実は、私も正式なコレには遭遇したことはありません。
一般庶民には、あまり馴染みがない和食のスタイルなのですが
会席料理の源流となった歴史あるお料理です。

イメージしやすいのは、時代劇や映画で見る殿様のお料理です。
いくつもの赤いお膳が並べられて、
小皿に盛られたお料理が何品も乗っている感じです。

この本膳料理は、器の並べ方や、食べる順序、服装など
全てにおいて細かな作法や順序が決められています。

食べ方の決まりとしては、
吸い物と肴がお酒と一緒に出されるので、これを食べます。
その後、本膳、二の膳、三の膳と提供されます。
本膳からは、ごはんと料理を一口づつ交互に食べていきます。
本膳に乗っている香の物(おつけもの)ですが、
ごはんの最後か、お茶のときまで食べないようにしましょう。

格式のある本膳料理ですが、日本人の食卓の配膳の基本
「ごはん茶わんが左、汁物が右、おかずは奥」は
この本膳料理から受け継がれていることなのですよ。

懐石料理とは?

懐石料理、というと、
少しはなじみのある和食スタイルかもしれませんね。(^^)

日本料理店の懐石料理や、会席料理とは、
全く性質が異なるものですので、一緒にしないように。

懐石料理とは、茶の席の質素な料理です。
かの有名な千利休によって形式が整えられました。
質素を第一とし、もともと禅宗の僧が
抹茶と一緒にとったことが始まりとされています。

懐石料理は、1品づつ出されるのが特徴です。
コース料理のようなイメージなのですが、
料理と料理の「間」の取り方が、とても重要視されます。
料理は人数分が大皿に盛られているので、
順番に自分の分を取り分けていただきます。

懐石料理の「懐石」は、
朝と夜との質素な2度の食事を摂っていた禅宗の僧が、
夜になると温めた石を布にくるんで、
寒さや空腹をしのいだようすに由来します。
この懐の石のように「お腹をあたためる軽い料理」
こんな意味を表しているのです。

会席料理とは?

同音異義の「懐石料理」と混同しやすい「会席料理」ですが、
これこそ、結婚式やちょっとした宴会、旅行先などで
非常に馴染みが深い和食のスタイルですね。

慌てて、マナーを探すのも、この会席料理が多いかと。(^^)
和食といえば、この会席料理を指すほど、ポピュラーです。
会席弁当もおなじみですね。

他の和食スタイルに比べ、食べる順序や作法は緩いのですが、
全く何も知らないようでは、恥ずかしいものです。
食べる機会が多いスタイルだけに、
基本のマナーはしっかり抑えておきましょう。

料理の出し方や、順番は、店によって違います。
関西・関東・地方で、お料理の名が変わるものもあります。
一汁三菜が基本で、品数は特に決まりはありませんが
お酒を中心とした配膳になっています。
最大の特徴は最初にお酒が用意されることで、
そのため、ごはんと汁は最後になります。

歴史も浅く、江戸時代中期の俳諧の席(会席)で
出された料理が会席料理の原点です。
本膳料理の堅苦しい作法は取り除き、
食事を楽しむという考えのもと考案されたスタイルです。

精進料理とは

私は精進料理というと、何かの修行中の食事のイメージですが、
みなさんはどうですか?イメージ沸きますか?

あまり普段の食事でなじみはありませんが、
近頃「ヘルシー」ということで、
世間の注目を浴びている精進料理です。

精進料理の最大の特徴は、
肉や魚、鳥などの「動物性の食材は一切使わない」ことです。
油も植物性、だしも昆布やしいたけを使います。

仏前の供え物から僧侶が作った料理が発展したもので
生き物を殺すことが禁じられていたため、
動物性の食材は使用されないのです。
精進とは「悟りの道を求める修行」の意味があるんですよ。

一休さん思い出しますね…!

それでも、育ち盛りの修行僧は肉や魚を食べたいので、
調理法を工夫したソレらしきもの、
いわゆる「もどき」がたくさん存在します。
これも、精進料理の特徴と言えるでしょう。

精進料理でもっとも大切なことは、
食材を大切に扱い、食べ物に感謝をすることです。
食前、食後には深く合掌をし、
食事を残すことは許されません。

卓袱料理とは?

卓袱(しっぽく)と読みます。
卓袱とは、中国風の食卓を覆う布のことを指します

卓袱料理、こんなの聞いたことありますか??

これは、もともとは江戸時代の長崎市に滞留していた
中国人の影響を受けて、生まれた料理です。
当時の長崎といえば、異文化の交流がさかんな地域、
中国料理がその地域の日本料理へ与えた影響は
大きいことでしょうね。

お料理より、その食べ方が中国料理に非常に近いです。
赤い円卓を5〜7人で囲んで座り、
大皿に盛られた料理を
それぞれが自分の箸で取り分けて食べます。

当時の日本料理の盛り付けの手間など考えると、
大皿から自分で取り分けるのは画期的だったのでしょうね。

卓袱料理は、和食、洋食、中国料理の要素が混じっているので、
和漢蘭料理と呼ばれることもあります。
現在では、結婚披露宴や料亭などで
お目にかかることがあるか、ないか…程度です。

普茶料理とは?

卓袱料理に続き、あまり馴染みがない和食スタイル
普茶(ふちゃ)料理です。

とはいえ、普茶料理の代表的な食べ物、
きっと食べたことありますよ。(^^)

私、コレ大好きなんです。答えは「ゴマ豆腐」です♪♪♪

普茶とは「お茶を普く(あまねく)」という意味があり、
みんなでお茶とお料理を頂きながら、
労をねぎらう意味合いを持ちます。
食事の後、お茶を皆で飲むイメージですね。

歴史は、江戸時代の初期、
中国の黄檗宗(おうばくしゅう)が持ち込んだ
中国風の精進料理(素菜と呼ばれます)が始まりです。
植物油を多く使うのが特徴で、
食べ方も、1つの長方形のテーブルを4人で囲みます。

この普茶料理、日本料理に大きな影響を与えています。
普茶料理の普及によって、美味しい美味しい「てんぷら」も
日本で親しまれるようになったと言われてるんですよ。

あまり普茶料理を出す店はありませんが、
ゆかりの寺院や長崎市などでは、
普茶料理を味わえる寺院や飲食店も存在しています。

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