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会席料理の食べ方

和食でマナーが必要なシーンで頂くお料理なると、たいていの場合は会席料理。付け焼刃でも会席料理の対策をしておけばなんとかなる…かな…!?会席料理の全体の流れは、一般的にお酒を飲むことから

会席料理のお料理の流れ

和食で、マナーが必要なシーンで頂くお料理なると、
たいていの場合は、会席料理です。

付け焼刃でも、会席料理の対策をしておけば
なんとかなる…かな…!?(^^)

会席料理の全体の流れは、
一般的にお酒を楽しむための肴が最初に出て、
少しづつお腹にたまるもの(てんぷらなど)が出てきます。
温かい茶碗蒸しなども、後から提供されます。
それから、ご飯やお寿司などに進み、
デザートやお茶が出て、おひらきとなります。

お店によってメニューの多少の違いはありますし、
1品づつ出されたり、最初にある程度の品数が並んでいたり
お店ごとのスタイルがあります。

品数は違えど、和食の基本マナーと、
出されるお料理の食べ方のマナーを覚えておけば大丈夫。
工夫が凝らされた季節感あふれるお店の自慢の味を
落ち着いて、堪能できるようにしたいものですね。

前菜

会席料理の最初に提供されるのが、前菜です。

前菜とは、主食の前に出されるお通しで、
季節感があり、目にも美しく、
食欲をそそるような軽いお料理が盛られています。

何が出るか解らないので、対策は練りにくいのですが、
食べ方に気をつけたいお料理を紹介しますね。

つくねや田楽など、串に刺さっているものは、
串を外してから、お箸で一口大に切っていただきます。
外しにくいものは、串を回しながら引き抜きましょう。

豆腐など崩れ易いものは、小さめにして慎重に扱いましょう。
横箸で救い上げたり、崩さないように気をつけます。
汁気が多ければ、小鉢を持ってしまったほうがスマートです。

盛り合せもよく出されますが、
この場合、食べる順序に決まりはありません。
もし順序に迷ったら、左から頂くと良いでしょう。(^^)

盛り合せは美しい盛り方をグチャグチャにしないこと、
何を食べるか決められない迷い箸をしないことなど、
目移りしてお行儀が悪くならないように
気をつけて味わいましょうね。

お吸い物

会席料理のお吸い物は、とっても薄味で、
なんだか物足りないかもしれませんが、
口の中をサッパリとさせ、素材を引き立てる役目があります。

お吸い物は、まずは美しくフタを空けることをからですね。(^^)

フタを空けたら、まずは、ぜひとも
吸い物の素晴らしい香りを堪能してください。
それから汁を一口頂いて、その次に具を頂きます。
汁と具は、交互に味わうのがマナーですよ。

汁を味わう時のお箸ですが、箸はそろえて一文字にして、
お椀の向こう側に揃えて持ちます。
お箸で具を抑えて、汁を食べやすいようにしましょう。

大きな具の場合は、箸で一口大に整えていただきます。
貝は、身だけを外していただいて、殻はお椀の中に残します。

お吸い物の具を頂く時は、涙箸になりやすいですし、
箸先を多く汚しやすいので、気をつけてくださいね。

土瓶蒸し

会席料理には、食べなれないモノが出てきます。
その代表格が「土瓶蒸し」です。

食べ方、迷うんですよね。…(^^;;

まず、土瓶蒸しとは、小さめの土瓶を容器にしたもので
具は、マツタケ、ハモ(白身魚)、えび、ミツバ、銀杏など、
香り高い素材と淡白な白身魚にだし汁を張って蒸したお料理で、
香りも楽しめる、季節感も、花もあるお料理です。

さて、問題の食べ方ですが、
すだちという香りの良い青い柑橘類がついてくるので、
杯に塗りつけるように絞ります。
絞ったら、右手で静かに土瓶を持ち上げて、
左手で底を支えながら汁を静かに注ぎ、
まずは汁を土瓶の半分ぐらいまで味わいましょう。

汁を味わったら、土瓶のフタをあけて、杯に取り分けます。
取り分けたら、具と汁を交互に頂くようにします。

マツタケ、もちろん食べてもいいんですよ。(^^)

土瓶蒸しの食べ方には色々なスタイルがあって、
最初に汁を味わうことは鉄則ですが、
汁と具の味わい方は、決まっているわけではないようです。

お刺身

会席料理のほとんどについてくるお刺身。
お刺身は普段の食事でも食べる機会は多いので、
緊張せずに頂くことができますね。(^^)
好きな方も多いのではないでしょうか?

お刺身で気をつけたいことは、
お醤油が垂れないように気をつけてくださいね。
間違って服を汚してしまうと、大変なことになりますよ。
小皿を持ち上げるか、懐紙で受けて口に運ぶようにしましょう。
そうそう、手で受けるのは絶対にNGですよ〜!

味わう順番ですが、白身など味の淡白なものから頂くのが
刺身に限らず、お料理を味わう順番で大切なことです。

ワサビは、醤油に溶かすより、
少量づつ食べる分の刺身に直接乗せた方が、
ワサビ本来の味と香りを楽しむことができます。

さしみのツマは、食べても構いません。
口直しや口の中をさっぱりさせる役目があるので、
一緒にいただいてよいものです。

見慣れない赤穂シソも単なる飾りではないですよ。(^^)
シソの風味が詰まったプチプチと美味しい薬味です。
先をつまんだら箸でしごいて、
お醤油の小皿に入れ、一緒に味わいましょう。

船盛り

おめでたい席などでは、お刺身が
大きな船にひと盛りになって提供される場合があります。

これが、船盛りですね。とっても見栄えもしますし、
おめでたい席などでは好まれる盛り付けです。

船盛りを取る順序は、上座の人から取っていくのが礼儀です。
取り箸が用意されていない場合は、自分の箸で取ります。

よく、大皿のモノを取るのに、箸を上下逆にして、
口をつけていない柄の方で取ることがありますが、
この行為は、実は下品に見えると言うことで、
マナー違反とされています。

ですから、自分の箸で取る場合も、
わざわざ箸を特ちかえる必要はありません。

ただ、自分の食べる分だけに箸が触れるように
細心の注意を払って取るようにしましょう。
キレイな盛り付けを崩さない心配りも大切です。

もちろん、好きなものだけ取るのも厳禁ですよ。
それぞれのお刺身を1人分づつ取りましょう。

焼き物

和食の会席料理で焼き物といえば、定番はお魚です。

創作会席料理やシャレた今どきのお店では、
稀にお肉が出ることもあるのですが、
主流といえば、魚でしょうね。
魚は、切り身であったり、尾頭付きであったりします。

お箸の使い方や食べ方が一番ウルサイ食材ですね。(^^;;

食べ方の基本は左側から、少しづつ頂くことです。
皮は残しても失礼にあたりません。
小骨は取り除きながら頂きますが、
口の中に残ってしまった場合は、
左手か懐紙で口元を押さえながらお箸で取り出します。
食べ終わって残った骨や皮などは、
お皿の端に、ひとまとめにして寄せましょう

尾頭付きの魚で注意したいのは、
半身を食べるために裏返さないことです。
半身を食べ終えたら、中骨をお箸でつまみあげ、
頭と尾をつけたまま、骨を剥がして
皿の向こう側に置きます。
このとき、左手を使ってもマナー違反ではありません。

焼き魚についてくるはじかみは、生臭さを取るため、
魚を食べ終えてからいただきます。
懐紙で口元を隠しながら、根の部分を頂きます。

煮物

煮物も会席料理の定番ですよね。
冷めないように、フタつきの椀に盛って出されます。

開け方は、お椀と同じ動作でOKです。
具を食べる順には特に決まりはないのですが、
盛り付けを崩さないように
上に乗っているものから頂くのが良いでしょう。

煮物は、やってはいけないことを覚えておくと簡単です。

・かじったものを器に戻さない
・大きい具材を一口で頬張らない
・箸を突き刺して食べない

ちょっと大きめでも、箸で切りにくい
タケノコやしいたけは要注意の具材です。
また、煮物で定番のさといもは、
非常にすべりやすいので気をつけましょう。
小さめに切り分けてからつかむと、滑りにくいですよ。

揚げ物

揚げ物は、てんぷらが定番ですよね。
揚げたてを出されると、本当に嬉しくなる、美味しいお料理です。

食べる順序は、盛り付けを崩さないよう手前からです。
味付けは、てんつゆのほかに
お塩やかぼすなどが勧められるので、好みのものを使います。

てんつゆは滴らないように気をつけてくださいね。
大根おろしやショウガは、つゆに溶いてしまって構いません。

てんぷらの食べ方で気をつけたい具材は、
エビやイカ、大ぶりの野菜です。
お箸で切れない上に、無理をすると衣が剥がれて
みっともない状態になりますよね。

そんな時は、口元を懐紙で隠して、
2〜3口に分けてかじりながら頂くのが正解です。
口をつけた食べさしをお皿に戻すのは
マナー違反ですので、やらないように。(^^)

蒸し物

蒸し物にもいろいろな調理法がありますが、
会席料理の定番は、茶碗蒸しです。

他には、かぶらむし、小田巻蒸し、酒蒸しなどなど。(^^)

蒸し物は、かなり熱い状態で出されることが多いので、
最初に熱さを確かめましょう。
それからフタを外して、スプーンがあればすくって頂きます。
器が熱ければ、無理をして持つ必要はありません。

蒸し物を食べる時のコツですが、
一番は「グチャグチャに混ぜないこと」ですね。(^^;;
銀杏を捜したり、エビを探したりしてては、ダメですよ。

その他、音を立てないこと、すすらないこと
フーフーと吹いたりするのも厳禁です。
器から飲み干すなんてとんでもないです…!!(@_@;;)

食べ終わったら、スプーンは元の位置に戻して、
フタをしてくださいね。

酢の物

小さな小鉢にキレイに盛られた酢の物は、
目にも鮮やかで、またサッパリとした口当たりは
お酒にもよく合う逸品ですよね。

とても小さな小鉢に上品に盛られることがほとんどですので、
小鉢を盛っていただくと良いでしょう。
量はとても少ないですが、一口で食べてしまうより、
2〜3口で食べきるように量を調節するとスマートです。

ちょっと食べ方を迷うのが、酢味噌や梅肉などが、
具材の上にかけてあるタイプの酢の物ですね。

この場合は、器の中で混ぜるようなことはせずに、
かけてもらったままの状態、
もしくは、一口分づつに適量をつけながら食べましょう。

会席料理は、美しい盛り付けもお料理の一部ですから、
それをむやみに崩さないことは大前提ですよね。

そうそう、酢の物でてこずるのは、じゅんさいです。
この場合だけは、すすって構いませんが、
強くすすると酢にむせるので気をつけましょう。

ごはん、赤だし、お漬物

会席料理の終盤、待ちに待ったごはんがでてきます。
ここまでお酒を飲まない方は、
待ちわびているのではないでしょうか。(^^)

赤だしと書きましたが、
汁物は正式には「止め椀」と呼ばれます。
これが出てきたら、お酒はもうストップの合図ですよ。

汁物のフタの開け方は、他のフタつきの器と同様です。
ごはんが食べたいキモチはわかりますが、
まずは、最初に汁物で箸を濡らすようにひとくち頂くと、
ごはん粒が箸につきにくいのでオススメです。

しかし、特に何から食べなくてはならないと言うような
堅苦しい決まりはありません。(^^)

ただし、かため食いは止めましょうね。
ご飯と汁物が半分ぐらいになったら、香の物に箸をつけ、
最後に香の物一切れが残るペースで食べると、美しいです。

もちろん、お茶わんに残ったご飯粒も見苦しいですので
キレイに食べるように心がけましょう。

デザート

会席の最後には、一品のデザートが出されます。
これは果物が一般的で、水菓子とも呼ばれるものです。

特に食べ方に決まりはありませんが、
ここまで美しく頂いてきたのですから、
最後まで気を抜かないようにしましょうね。(^^)

1種類のフルーツが提供されることもあれば、
盛り合わせのこともあります。
盛り合わせの場合は、さっぱりしたものから、
もしくは、甘さ、酸っぱさの順序で組み立てを考えて、
美味しく頂けるように考えててくださいね。

食べ方は、とにかく汚くなかったらよいのです。
果物は種があったりしますので、
口元を隠せるように懐紙を用意しておきましょう。

また、皮など残す部分の始末を適当にしないようにします。
みかんなら、皮は折りたたむ、
メロンやスイカの皮は横向きに倒す、
種は一箇所に寄せるか、懐紙に包むなどして、
食べ終わった後もできるだけキレイに見えるように
心配りを忘れないでくださいね。

おしぼりの使い方

おしぼり…とてもなじみがありますよね。(^^)

外食をする機会に、夏は冷たく、
冬は暖かいおしぼりが飲み物を一緒に出てくると、
さっと手を伸ばして拭きたくなるものです。

これ、日本独特の習慣のひとつなんですってね。
最近は紙タイプが増えましたが、
やっぱり、ね、おしぼりは布がいいですよね。

このおしぼりですが、本来、食事の前に手を拭うものです。
ひざの上で広げて、手を拭ったら、
軽くたたんでおしぼり台に戻しましょう。

ここで大切なのが、おしぼりは
あくまで「手を拭くのが目的」ということ。

顔を拭く、台拭きにする、口元を拭く…!(>o<)

全てNGですから、絶対にやらないでくださいね。
気持ちいいのも、使いたいのも良く分かりますけどね。(^^;;

また、お料理におしぼりが添えられることがありますが、
この場合は「手を使って良い」という合図です。

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